ストライキ

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今回は、かなり専門的な話になりますので面白くありません。
しかし、ある程度の専門家(労働組合の役員、あるいは社労士)などもはっきり理解してないことも多いのではと感じますので、ちょっと記事にします。

興味のある人は、という記事になるかと思います。

ストライキ(以下スト)
私が幼少の頃は、旧国鉄(現JR)なんかがよく行ってました。
現在はあまり行われていないように思いますが、全くないわけではないようです。

そして、このストについて正しく理解できてない人がほとんどのようです。
労働組合の役員であってもこれを理解できていない言質も見受けられます。
そのような言葉に踊らされて、これは労働者の権利が弾圧されていると言っている人もいます。
これは、場合によっては明らかなプロパガンダですので、その違いを理解する必要があると思います。

ストは、当然に労働者の権利です。
日本国憲法でも保障されてます。
学校でも教わった労働三権の一つの団体行動権です。

ある県の知事さんが、表現の自由を制限すると憲法違反だとおっしゃってました。
ところが、じゃ表現の自由は無制限に認められているのかと言えば、当然ながらそんなことはありません。公共の福祉に反してはならないという条件が付きます。

これと同様にストにおいてもその条件があります。
これは、労働組合法に規定されています。

その条件を説明します。
一つは、労働組合法に合致した労働組合が行うということです。
労働組合結成の条件は、私たちは労働組合を結成すると宣言すればそれは正式な労働組合です。
別に労働委員会に登録する必要もありませんし、法人登記の必要もありません。
労働組合は法人である必要もありません。
あくまでも労働者による自主的な組織です。

じゃ、労働組合法に合致した労働組合とは何か。
これも労働組合法に明確に記されてます。(当たり前ですが)労働組合法第5条にあります。
その一つには、「総会は、少くとも毎年一回開催すること」とあります。
非常に短い条文ではありますが、これは結構厳しい条件です。

例えば、今年は総会を開きました。しかし、去年は総会を事情により開きませんでした。
これは、明らかに労働組合法違反です。
ですから、このような労働組合がストを行えば、当然に損害賠償の対象となります。

もう一つは、労働組合の役員は、構成員である組合員の直接無記名投票によって選挙されることとあります。
当然それは総会において行われると理解できます。
これは、かなりハードルが高い規定であると私は考えます。
例えば、日本労働組合総連合会(略称:連合)においても、きちっとできているかどうかもかなり怪しいと思います。
これは誤解されてはいけないので、それをやってないとは言いません。
ただ、労働組合法に合致した選挙を下部組織である産業別労働組合や単位労働組合が、これをきちっとやっているかどうかを全てチェックするのは至難の技です。

(※産業別労働組合、単位労働組合の説明は、最後に簡単に記載します)

実際それはできていないでしょう。
なぜ言えるか、私も連合傘下の労働組合に属して役員もやってましたが、上部団体からその指導は受けてもそのチェクをされたことは無いからです。
もしかしたら抜き打ちでやっているかも知れませんが、それなら全数のチェックはできていません。それに反する労働組合が絶対ないということにはならないでしょう。そもそも全数チェックは物理的に不可能でしょう。

何が言いたいかというと、労働組合法に合致した労働組合とはかなりハードルが高い条件であるということです。

ですから、労働組合からストを通告されたら、その労働組合が労働組合法に合致した労働組合であるかどうかを確認する必要があります。
これは、独自ではできませんので、まずは地方労働委員会に相談することです。
労働委員会は、労働者の立場の者だけで構成されている組織ではありません。
労働者側、経営者側、法曹関係者の三者によって構成されています。
ですから、必ずしも労働者のための組織ではないのです。
これも労働組合法に規定されています。

次にストもそれが実施される条件があります。
これも労働組合法にあります。以下条文です。

「同盟罷業は、組合員又は組合員の直接無記名投票により選挙された代議員の直接無記名投票の過半数による決定を経なければ開始しないこと」

同盟罷業(どうめいひぎょう)とはストのことです。
つまり、組合員または、組合員の選挙によって選ばれた代議員の過半数が認めなければストはできないのです。
この手続きのないスト(もどき)は、当然ながら損害賠償請求の対象になります。
場合によっては刑法犯罪にもなりうるでしょう。

当然、労働組合の条件はこれだけではありません。
ストは労働者の権利として当然に認められてます。
しかしながら、かなり高いハードルがあるので、そう簡単にはできなというのが私の見解です。

このことを皆さんご存知でしたか?

これは労働組合への弾圧だと言われても、実際そのストは正当なものですか?
つまり、労働組合法に合致したものですか?
その確認をきっちり行って述べられたのですか?
私は甚だ疑問に思います。

いかがでしょうか。



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※産業別労働組合、略称:産別
 分かりやすい例では、電力総連、金属労協など同業の企業間の労組で組織する労働組合
 ただ必ずしも同業である必要はありません。

※単位労働組合、略称:単組(たんそ)
 これは、一般的な日本の労働組合の形である企業内労働組合を指します。
 単位労働組合が連携して産別労働組合を組織します。(連携と書きましたが、労働組合的には連体とか同盟という言い方をします)

※日本労働組合総連合会、略称:連合
 産別労働組合が組織する労働組合の連合体
 この形態の組織をナショナルセンターと言います。
 つまり、単組→産別→連合という形で構成されていて、その末端は単組になります。

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